相手のメリットを考える

詐欺とまでは言わないけど「これって得をするのは相手で、損をするのは自分では?」と思う出来事が多いなーと感じます。

例えば銀行の窓口で勧められる金融商品は銀行側の手数料の高い(銀行が儲かる)商品だったり、最近問題になったビッグモーターが、特定の贔屓にしている損害保険商品を勧めてきたりなど、必ずしも消費者に最適な商品が提供されていない状況が目に付きます。

全てを疑ってかかる必要はないですが、提案されたサービスや商品の背後にある利害関係を理解する一定のリテラシーが必要な時代だなーと思います。

特に最近はモノ余りの時代で、モノを売ることが難しくなってきています。その結果、どうやってモノを売るかに特化したマーケティングが発達したり、消費者に見えない複雑なビジネススキームを組む会社が増えました。

売る側の技術は上がっていますが、消費者側のリテラシーが追い付いていないのが現状です。

そこで今回は、こんな複雑な時代にどう立ち振る舞えばいいのかを書き留めておきます。

相手のメリットを考える

これから生きていく人は、相手方のビジネスモデルを理解しマネタイズポイントを把握することが必要です。

もっと簡単に言うと「商品やサービスを買うことで相手にどんなメリットがあるのかを考えること」って感じでしょうか。

「あぁ~ここで儲かっているんだな」「こういう仕組みでお金がまわっているんだな」って感じで相手側のメリットを考えながら買い物をすることで、物の良し悪しを見抜く力が養われていきます。これさえできれば、大きな失敗はしないでしょう。

日本には「安もの買いの銭失い」という言葉が存在します。安いものには理由があり、長くは保たないし、使い勝手が悪かったりして、結局は損であるという意味です。

その最たる事例が下記ニュースです。

徳島県、県立校のタブレット故障1万台に

県立学校に配備したタブレットに故障が多発している問題で、徳島県教育委員会は累計の故障台数が1万41台(13日時点)に達したと公表した。1人1台の体制を目指し、2021年度から県立高校などに配布した1万6500台の中国製端末のうち、6割が故障したことになる。

日経新聞

このような失敗をしないためにも、「なんで安いんだっけ」「この会社はどこで儲けていて、信頼できるんだっけ」と常日頃から考えるべきなのです。

なぜ無料やキャッシュバックが成立するのか

ここで少しビジネス的な視点で掘り下げてみます。

企業が営利活動をするときに、LTV(Life Time Value)顧客生涯価値という指標を使い施策を考えます。

LTVとは「顧客が自社の利用を開始してから終了するまでに、いくら利益をもたらすか」という指標です。

算出方法は参考までに:LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間

身近な携帯会社で考えてみましょう。

例)携帯代金が5000円で平均で5年間使い、その時の企業の収益率を50%とします。

LTV=平均単価5000円×収益率50%×購買頻度12×継続期間5年=15万円

携帯会社に支払う金額は30万円ですが、携帯会社の利益は15万円です。つまり、携帯会社は1万円や2万円キャッシュバックや安い携帯端末代は痛くも痒くもない施策なのです。

では、YouTubeやTiktokはなぜ無料で使えるのでしょうか?

理由は、無料で閲覧する人に広告を見せているからです。もちろんプレミアムプランからの収益、投げ銭やギフトの一部徴収、メンバーやコミュニティからの収益などプラットフォーマーのマネタイズポイントはたくさんありますが、無料で使っている人の広告閲覧がメインの収益源となっているのです。

このような感じでビジネスモデルの理解、もっと簡単に言うと相手のメリットを考える癖を身に付けると、これなんか変だぞという嗅覚が身に付き、痛い目を見なくて済むのです。

買う理由

最後に日本人のモノを買う時のマインドについてです。

  1. 安いから買う
  2. 多くの人が買っているから買う
  3. ポイントが貰えるから買う

全員とは言いませんが、多くの日本人がこのような消費行動をしています。これが悪いとは言いませんが、購買理由を他者に握られすぎている印象です。自分で意思決定していない人が多く、それは購買以外にも影響しているように思えてしまいます。

何事も自分の意思で決めて、「欲しい時に欲しいものを買えば良いんじゃね?」と思います。

それでは、また。