いまの日本を「成長期」だと思っている人は、殆どいないはずです。
じゃあ、今がどんなフェーズなのかを正確に言える人はどれだけいるでしょうか?
戦後復興、高度経済成長を経てバブルを味わい、その後失われた30年を彷徨ってきたこの国。今や人口は減り、マーケットは縮み、制度疲労があちこちで散見される状態です。
昔みたいに誰もが同じレールを走れる時代でもないのに、現実を直視せず昭和レガシーを引きずっている人が多すぎるのが日本です。
今の日本はどう見ても衰退フェーズです。
今回は、あえてその現実に正面から向き合い、衰退フェーズの中で私たちがどう生き方を変えるべきなのかを考えていきます。
今どこにいるのかを知ることが、本当の意味での前進の第一歩なのです。
今が衰退期だと認めるところから始める
戦後の焼け野原から、猛烈な復興と高度経済成長を遂げ世界を驚かせた日本。その成功体験が強烈すぎて、今でも「次の成長が来るはずだ」と思いたがる人が多い。
でも現実には、経済は伸び悩み、イノベーションは減速し、人口は減少の一途を辿っており、どう見ても今は、成熟期を終えた“衰退フェーズ”に突入しています。
これは悲観ではなく、単なる現実です。問題はそれを認められるかどうか。
病気でもまずは“診断”がなければ治療は始まらない。社会も同じで、現状を直視できない限り、どんな政策も機能しません。
まずは、成長が前提だったフェーズから、衰退を前提としたフェーズに移ったことを、個人として社会として、素直に認めるところから始める必要があります。
地方創生も同じです。
殆どの自治体が少子高齢化、人口減少を迎えていますが、殆どの自治体が地方創生を掲げています。今の人口やインフラを保ったまま、生き残れる地方なんてせいぜい1割程度でしょう。
なのに殆どの自治体が地方創生に躍起になっている。
- うちの自治体は緩やかにシュリンクするのを受け入れますので、のんびりしたい人は残ってください。刺激が欲しけりゃ外に出てください。
- うちの自治体は現状維持が目的です。
- うちの自治体は地方創生を掲げ人口を増やし企業をどんどん誘致します。
みたいなグラデーションがあっても全然おかしくない。むしろこうでなきゃいけないんじゃないの?
人口が劇的に減ってるのに、殆どの自治体が地方創生を掲げるなんて、ちゃんちゃらおかしな話です。
まずは現実を直視しましょう。
フェーズが変わったなら、生き方も変えればいい
衰退フェーズに入ったからといって、絶望する必要はありません。むしろこれは生き方を問い直すチャンスでもあるのです。
これまでの社会では、「より多く働く」「より多く稼ぐ」「より大きくなる」ことが正解とされてきました。
でも、それは成長フェーズにおける最適解。今、社会が変わったなら、生き方・働き方・価値観のアップデートが求められます。
たとえば、大企業にしがみつくのではなく、スモールビジネスやパラレルキャリアに目を向ける。都市集中型から、地方やオンライン中心の生活に移行する。物質的な豊かさよりも、自由や意味を重視する。
変化は確かに不安を伴いますが、フェーズが変わるということは、別のルールでプレイできるということ。
成熟や衰退という言葉に怯えるのではなく、その中でどう自分らしく生きるか。
国のフェーズに適応するということは、個人の可能性を広げることでもあるのです。
それでは、また。