最近ほんとーに大学って意味ないよなって思うことが増えました。トップオブトップの大学以外は存在価値が無くなり、むしろ害さえ与える存在に成り下がっていると感じています。
某YouTuberが「情報商材は10万円で高いと思うのに、大学の何百万の授業料とかアホなん」って発言したのにも非常に納得で、特に大きな学びも無く、奨学金と言う名の借金を背負わされ社会に出る人を量産しているだけのようにも思います。
現在大学卒業に必要なお金は、国公立で平均480万円、私立大学文系で平均690万円、私立大学理系で平均820万円となっていて、本当にこんな大金を払ってまで通うところなのか甚だ疑問です。
今回は様々なデータを使って、なぜ大学の意味が薄れてきてるのか備忘録的に書き残しておきます。
産業構造の変化
総務省統計を基に下記表を作成しました。
これは働いている人がどの産業に属しているかを示した表になります。1951年頃は半数近くが農林水産系の一次産業に属していました。
しかし日本が経済成長するにつれて、産業構造が大きく変化します。
金融・電気・ガス・不動産・医療・教育・情報通信などの第三次産業の方が儲かるようになり、一次産業を脱出する人が増加しました。当然と言えば当然で、キツイ・汚い・危険が伴う一次産業の仕事は今でも敬遠されがちです。
さらに、多くの人は三次産業で働くには「学歴が必要だ」と気付き始め、こぞって大学に進学するようになります。下記グラフは大学進学率の推移ですが、右肩上がりで伸長しています。
1955年には7.9%だった大学進学率は上昇を続け、1970年代には20%、2000年には40%を越え、直近の2019年では54%に達しています。短大や専門学校を含めると8割以上の人が高等教育以上に進学している計算です。
これら2つのグラフからも分かるように、昭和から平成初期にかけては一次産業から三次産業へ労働力が大移動し「大学に進学し三次産業に就職することが最もお得だった」ということが考えられます。
しかしながら、インターネットの普及によりこれまでの常識が変わってきており、大学の学位よりも実務経験や特定のスキルセットが重要視される時代になってきました。加えて昨今のAIの進化は多くの三次産業の仕事を奪うことが明白です。
一次産業から三次産業への変革の時と同じように、第三次産業の変革・淘汰が始まっています。それにも関わらず、大学へ進学する人が後を経たないのには疑問を持たざるを得ません。
大卒の価値の低下
次に大学の数と大学生の数について考えてみます。下記グラフは大学の数の推移を表したものです。
1950年と比較すると大学数は4倍以上になっていることが分かります。前章で述べたように、大学に進学する人が増えているので当然の結果だと言えます。
一方で下記グラフは、厚生労働省の合計特殊出生率の推移です。
実は1970年代後半から出生数低下と少子化が危惧されており、1989年には出生数1.57ショックなどと言われ、かなり早い段階で子どもが減ることは分かっていました。しかし1980年の大学の数は446校で、2022年は2倍弱の807校となっています。
これらのデータから、
- 大学進学率が上がる
- 子どもの数が減る
この裏付けができます。
つまり、昔であれば10%程度の限られた人しか行かなかった大学が、今や60%近くの人が大学に進学し相対的に大卒の価値低下を招いています。
さらに子どもの人数が少なくなっているのに大学の数だけ増え、金さえ払えば誰でも大卒の権利を取得できる状態となり、大学全体のレベル低下を招いています。
得をするのは誰か
大学のレベル低下や大卒の価値低下を招いているのにも関わらず、日本人の多くは大学に進学する訳ですが、これで誰が得をするのか考えるべきです。
結論を言うと、一部の人気大学と文部科学省の官僚くらいしか得をしません。
この間急激に増えてきた私立大学には、私学助成金という税金が年間3000億円程配られています。私学の振興は学校教育の発展において重要なのは理解できますが、経営を助成金に依存し自立できない大学を増やしている要因にもなっています。
上の表からも分かるように、私学助成金は1位の早稲田大学で90億円以上、10位の福岡大学で38億円以上支給されていることが分かります。
また、大学はこの助成金やその他の補助金を獲得するために、内部事情に詳しく顔が効く官僚に好待遇で来てもらう傾向があります。いわゆる天下りのような構図になってしまい、すべてが悪いとは言いませんが、健全な構造でないことは明らかです。
美味しい思いをするのは助成金を多く支給される大学と官僚なのです。
大学のこれから
2024年5月にセンセーショナルなニュースが飛び込んできました。
私立大101法人「経営困難」 全国18%、再編・統合加速も
私立大を運営する全国567の学校法人のうち、101法人が債務超過などによって経営困難な状況にあり、うち16法人が自力での再生が極めて難しい状態であることが19日、分かった。少子化で私大の経営は一層厳しくなることが予想され、学生の募集停止のほか、再編・統合を選ぶ大学の増加は避けられない。
日本経済新聞
いくら助成金を貰っていても子どもの数が少なくなっているので、さすがの大学も首が回らなくなってきているのです。子どもが減るのに大学を増やし続けたツケが今になって回ってきています。
これからの大学は統廃合が進み、授業料の値上げなんかも起こり得るでしょう。さらにテクノロジーの発展により大学を出なければ就けない職業の淘汰がさらに進んでいます。
それでもあなたは大学に行きますか?